iOS Developer Enterprise の OTA 配信について紹介します。基本的なやり方は、前の記事で紹介した iOS Developer の OTA 配信とほとんど同じです。使用するプロビジョニングとして InHouse を選択することで、UUID が登録されていない端末でもアプリをインストールすることができるようになります。
また、Enterprise 配信のメリットとして AppStore のような審査を受ける必要がありませんので、かなり自由にアプリを作成することができます。リジェクトされることはありませんが、逆にAppleが審査しない代わり、発生したトラブルは自己責任で解決するということですので、あまり無茶苦茶なことも考えものだと思います。
※注意
iOS Developer Enterprise は、あくまでも「企業内」でのアプリ配信のためのものですので、顧客(他社)など自社以外の端末にインストールできるような状態にした場合は、Apple との規約違反になります。
大まかな手順は以下の通りです。
(1)iOS Developer Enterprise に登録する
以前は従業員500名以上の企業のみという制限がありましたが、今は人数制限は撤廃されました。登録するためには DUNS ナンバーが必要なので個人で登録することはできません。また、既存の AppleID を持っている場合は、別の新しい AppleID を作ってから Enterprise を購入する必要があります。
※自社開発でなく、デベロッパー会社が開発したアプリをユーザー企業が使用するという、今までの請負のような形態で行なう場合は、ユーザー企業が iOS Developer Enterprise に登録し、デベロッパー会社は、ユーザー企業の開発部門という形で開発を行ないます。デベロッパー会社が Enterprise Program に登録していても、それをユーザー企業に提供することはできません。
(2)配布用の InHouse プロビジョニングを作成する
iOS Developer サイトにログインし、Provisioning Profiles → Distribution → InHouse を選択します。
(3)Xcodeでプロジェクトを開いてプロビジョニングを指定し、Product → Archive を実行。
ここから先は通常の iOS Developer の OTA 配信と同じです。
(4)Organizer で Distribution ボタンをクリックし、必要事項を入力。
入力項目については、前の記事「iOSアプリ配信(1)AdHocのOTAインストール」を参照してください。
ipa ファイルと plist ファイルが作られます。
(5)ipa ファイルと plist ファイルを WWW サーバへアップロード
a href のリンクでダウンロードする部分も通常の OTA 配信と同じですが、注意点があります。

iOS Developer Enterprise の配信先はあくまでも「企業内」に限られますので、社外の端末がダウンロードできないように設定しておく必要があります。例えば、VPN等のプライベートセグメントに設置したり、パスワード認証の仕組み等が必要です。

なお詳しい検証はしていないのですが、Enterprise 配信のドキュメントに記載されている内容によると、インストール時に Apple のサーバと通信しているとの記載がありましたので、Enterprise 配信の動向も Apple では把握しているかもしれません。
(6)ダウンロードページのリンクを配信し、インストールしてもらう
Safariからダウンロードページにアクセスしてもらい、リンクをタップしてもらえばインストールが完了します。
簡単ですね。。。。。。と、いいたいところですが、実は結構面倒なこともあります。
その面倒なことについては、次の記事で紹介したいと思います。


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